足し算・引き算ができない

学習障害だと認識されていなかったり適切な処置がとられないと、注意されがちで学習意欲低下に・・・

知能の遅れがないのに、計算間違え、やり方を覚えられないなど、算数に苦戦しているお子さんがいます。

 

これは本人の努力不足なんかではなく、学習障害の中の計算障害の典型です。

 

つまり、努力では治せないのです。

 

その理由は、脳の視覚認知の機能が弱いからです。

 

視覚認知とは、視力とは違います。だから、目が見えないのではないのです。
うまく距離感を捉えられなかったり、字や図をバランスよく捉えたり、書いたりが難しいのです。だから、筆算の位や桁がそろえられないといったことがでてきてしまいます。

 

さらに、筆算など計算は作業が多すぎて混乱しやすいのです。だから、計算してるそばから頭の中もごちゃごちゃに。

 

でも学習障害だと認識されていなかったり、されていても適切な処置がとられないと、本人はいつも注意されたり怒られがち。
そうすると、さらに算数ギライ、さらに学習意欲の低下にもつながります。

 

でも大丈夫!5つのカンタンな対処法があるんです。
これを知らなきゃ苦痛が重なり、算数ギライから、学校も嫌いになってしまうかも・・・

 

計算が楽になるための5つの対処法

 

@筆算の手順を、一つ一つ段階を踏んで説明、確認する

学習障害のお子さんは、普通のお子さんに教えるときよりも、より丁寧な説明が必要です。以下のような感じで、段階を踏んで教えます。

 

例@)二桁の足し算を筆算で行う場合 15+27
  • 1、一の位をたし算する
  • 2、たしたら12。10より大きくなったら、10の位の数字の上に1を書く
  • 3、十の位の数同士と、1で記した1を足す

といった感じで、普通は当たり前と思っていることを段階を踏んで細かく丁寧に教えます。
まず、手順を感覚ではなく、理論で理解させましょう。

 

例A)二桁の引き算を筆算で行う場合 23?12
  • 1、一の位を引き算する
  • 2、十の位を引き算する

 

例B)二桁の引き算、となりから借りるパターンを筆算で行う場合 57−29
  • 1、一の位が計算できません。だから、7を10に置き換えるように教えます。
  • 2、10−9をさせます。
  • 3、出た答え、1に、最初の7を足します。
  • 4、5−2ではなく、借りてきたので4になることを教えます。
  • 5、4−2をさせます。

 

という感じで、ひとつひとつ、説明、わかったら次に進むという感じで、段階を踏んで教えます。

 

また、7を10におきかえたときは、10を〇で囲んだり、7に×をつけたりなど、わかりやすい方法を教えます。

 

A足し算が暗算で難しければ手も使うことは許容する

なるべく、手を使わないで計算させますよね。でも、無理に使わせないできつくなるくらいなら使わせましょう。
学校などでは、机などに手をいれながら目立たないで行うと指摘されずすみます。

 

手を使っていても、だんだんにあからさまに両手を出して、大きく指を折る、なんてことがしなくても計算できるようになります。

 

だから、やりやすい方法が少し恥ずかしいとしても、禁じないように!

 

禁ずるより、算数嫌いにならないでやりやすい方法でできる方がかなり効果的です。

 

B分解もひとつの手

例えば、35+20の場合、まず一の位同士、十の位同士を足し算します。

 

要は、分解して計算するのです。そうすると、
3+2
5+0
に分かれますよね。

 

そして、十の位が5なので、50、一の位が5なので、55と答えを出すことができます。
例えば28+35などのように繰り上がりのある足し算の場合は、
2+3
8+5
に分けます。

 

そして、十の位が50、一の位が13となります。

 

繰り上がった分、見たままでは計算が難しい場合は、それをまた分解します。

 

50+13というふうにして、
5+1
0+3
という感じです。

 

すると、十の位が60、一の位が3で、63と計算可能です。
算数障害のお子さんも、このように分解するとすんなりできることがあります。

 

引き算の場合は、60−23でしたら、
6―2
0−3
に分けます。
ただし、0から3はひけません。だから、10?3にして、十の位の6から1を引くルールを教えます。すると、
5−2
10−3
となります。
結果、37と答えを出すことが可能になります。

 

Cノートや用紙の使い方を見直す

小学校では大体マス目がひいてあるノートや用紙を使って計算しますよね。
でも大体その線がすごく薄いです。だから、例えば、23+39だとしたら、

 

23
+39

 

というふうに書きますが、使うマス目は、この場合、7つだけですが、9マスを鉛筆で四角く、囲わせましょう。
そうすると、今、どの計算を筆算しているのかがとてもわかりやすくなります。

 

要は、その計算に集中できるのです。そして、繰り上がりの数字は見やすくわかりやすく、〇で囲ませると効果的。9マスのマス目からはみ出てOKです!

 

また、筆算のとき、縦線も薄くひくように教えると、桁が揃い、計算間違いが減ります。

 

できるようになってきたら、囲ったり、線を引かなくてもできるようになっていきます。

 

D掛け算九九は、フラッシュ的に覚えさせてしまう

大体は、「にさんがろく」、「しごにじゅう」といった感じで、声に出して覚えさせますよね。
でも学習障害のお子さんは、声に出したからといって、ちゃんと覚えられるとは限らないのです。

 

でも、そうとは知らずに、100回も声に出させたり、なんてことがありますが、逆効果です。
むしろ、何回声に出しても覚えられず、自尊心の低下、やる気を低下させるだけです。

 

そうではなく、2×3=6というこれをひとつの絵、図として暗記させるのです。
例えば単語カードのようなもので表に問題、裏に答えを書いて覚えるのもひとつの方法です。

 

声に何回も出すのではなく、何回も絵、図を見て覚える感じです。カメラのフラッシュを一枚一枚たく感じで、覚えていくのです。
絵、図として捉えるとすんなり覚えられることがよくあるのです。

 

いかがでしたか?

 

このような5つの方法で、まずは基本的な算数、計算をできるようにしてしまいましょう。
算数はまずは計算や九九が基本です。
カンタンな計算で、わかりやすく訓練することによって、文章問題にもチャレンジできるようになります。

 

計算ができるようになったら算数が楽しくなってきます。結果、他の学習にも意欲が出てきて学校も勉強も楽しくなるかも!?


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