発達障害のうちの子…将来ちゃんと恋愛・結婚できるのかが不安

発達障害、特にその中でも自閉症スペクトラム障害のお子さんはコミュニケーションに苦手さを持っていますよね。

だから、お母さんとしては将来ちゃんと結婚できるかしら、子どもは大丈夫かしら、とついつい将来を心配してしまいがち・・・

 

実際、恋愛、結婚は可能?

 

・結婚に至るための3つのパターン

@自ら行為を持ち、恋愛に至る場合
A相手の方から好意をもってもらい発展するケース
Bお見合いや両親や親戚、友だちなどからの紹介などの場合

 

・それぞれの問題点

 

@自ら恋愛する場合

まず、自分が外見などから相手に好意をもったりするところから始まります。また、さらに、思春期などになると、周りがつきあっていたり、テレビなどの影響から、自分もこの人とつきあいたいと思ったりすることから始まります。

 

ただ、相手も同じように好意をもってくれるとは限りません。特に、自閉症スペクトラムをお持ちの方は、相手からの社交辞令的な親切を、自分のことが好きだからだと、勘違いしてしまうことがよくあります。

 

だから、思った反応がかえってこなかったりすると苛立ったり落ち込んだりすることがあります。

 

また、嫌がっているのがわからずに自分が好意をもっている女性にしつこく関わったりすることがあります。それが原因で、別に嫌われていなかった場合でも、嫌がられてしまうことになることも・・・

 

A相手から好意をもたれる場合

相手から好意をもたれ、つきあった場合でも問題が起きることがあります。なぜなら、恋愛は、気持ちの交流が伴う場合が多く、自然な心遣いをしたり社交辞令的な言葉を求められる場合が多いです。

 

これを意識して行えないと相手の気持ちが冷めてしまうことがあります。例えば、かっこいいし、クールだなと思って近づいてきた女性でも、無関心さ、気遣いのなさなどに触れて耐え切れなくなるケースもあります。

 

Bお見合いなど紹介の場合

お子さんのことをしっかり知っている人が、お子さんを理解してくれるような人を選ぶ場合、うまくいくことがよくあります。ただし、最初の知り合う経緯が紹介だとしても、その後はAのような気持ちの交流が全く必要ないわけではありません。

 

・まとめ

このような問題点があるとはいえ、障害があるからできないということはありません。
世の中の多くの人々が恋愛や結婚をして実際に生活を送っていることがたくさんあるのです。

 

どうすればうまく結婚生活を送れるの?

維持するには事前の説明や家族、社会の支援が有効

 

@自分を正直にさらけ出しても大丈夫な人をみつけ、事前に特性について話して理解を得よう

 

自閉症スペクトラムのお子さんにとって、他者との親密な関係、一体感を共有することがなかなか難しくなります。だから、ある程度の特性の理解をしてくれる人でないと、破綻してしまうことが多くあります。

 

・よくある例@

女性に用事がなくてもこまめに連絡をとることって、つきあっていれば普通のことですよね。もちろん、人によってはそうではないこともありますが。

 

でも、自閉症スペクトラムをお持ちの方にとって、用事がないのに連絡をするという意味がわかりませんし、実際にしません。また、相手からの用事がない電話も冷たくあしらってしまうことがあります。

 

これは、特性のためであって、あなたを大切に思っていないことではないということをわかってもらう必要があります。

 

・よくある例A

ちょっと太ったなと女性に対して思ったり、すっぴんの時などに、実際は、そう思っても触れないか、言い方を考えて発言をしたりしますよね。普通は・・・

 

でも自閉症スペクトラムをお持ちの場合は、正直に「太ったね」とか、「今日はどうしてそういう顔なの?」みたいなことを平気で言ってしまいます。また、年齢についても女性に年齢を直撃するのは失礼とか、正直に年齢を当てると失礼という概念はありません。

 

だから、失礼な発言をして女性を怒らせたり傷つかせることがあるんです。これ、普通に聞いていると笑い話ですよね。でも、実際は深刻な問題なのです。

 

 

だから、事前に、自分にはこういう特性がある、悪気があって冷たい対応をしているわけではないことを理解してもらえる相手が理想です。正直に話しても大丈夫な相手がきっといます。

 

事前にこういう特性があるということを話しておかないと、たんに性格の悪い嫌な奴と思われてしまうことがよくあるので注意が必要です。

 

A家族や社会の支援を利用しよう

特に女性の場合は、出産を伴うことが多くなります。出産を無事終えることができても、産後は家族や社会のの支援、理解が必要です。

 

例えば、自閉症スペクトラムのお子さんの場合は、育児書通りにいかないと不満を抱えることが多かったりします。

 

例えば、ミルクの飲む量が標準値と違う、体重が基準に達していないなど、細かな数値にこだわってしまい、イライラしてしまうことがあります。子どもの時と同じで、しっかりいつも決まった通りであることに安心する特性があるためです。

 

また、赤ちゃんや幼児は、自分の思った通りの行動をするとは限りません。予想できない事態が起きるとパニックになってしまうことも。

 

だから、お母さんや地域の担当保健師さん、子育て支援センターなどの相談員の方など、頼れるところは全部頼るくらい頼って、自分一人だけで育児を抱え込まないことが重要です。

 

育児は思っている以上に、どんな人でも大変です。そんな中でも障害を抱えながらも一生懸命育児をすることは大変立派なことです。でも、支えなしで行うのはお子さんにもお子さんの赤ちゃんにもとっても心配なこと。

 

だから、未然に支援のリンクをはっておきましょう。

 

B非難や叱咤激励を避けよう

例えば、お母さん自身が娘さんに、このやり方は間違っている、と非難や叱咤激励をしてしまうと、混乱してきれることもあります。だから、あくまでも冷静にわかりやすく教えるというスタンスでいくとうまくいきます。

 

心配しなくても問題点の把握、さまざまな支援を有効活用したり、相手への事前の説明などを怠らなければ、結婚も出産も怖くありません。

 

普通の人と同じように、ちゃんと将来を迎えることができます。だから、将来を悲観しないでくださいね。