種類や注意点をわかりやすく伝授
自閉症スペクトラムやADHDがあるお子さんに、お薬が出されることがよくあります。
発達障害のお子さんに出されることの多いお薬の3つの種類
@SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
このお薬は、よくうつ病の方に使われるお薬として有名なものです。特に不安に対してよく効果を発揮するお薬です。
ただし、うつや不安以外でも、自閉症スペクトラムのお子さんの症状でよくある強迫症状、繰り返し行動などに使われることがあります。
A中枢神経刺激薬
ADHDのあるお子さんの治療薬としてよく使われます。落ち着きがない、多動症状に使われます。
B非定型抗精神病薬
このお薬は、幻覚や妄想に対して使われるお薬です。自閉症スペクトラムのあるお子さんに使うときは、自分や他人を傷つけたり、物など何かを壊したりしようとする気持ちを落ち着けるために使うことがあります。
お薬の効能、副作用、注意すべき点など
@SSRI
自閉症スペクトラムをお持ちのお子さんに対して、もちろんうつや不安症状が出たときに使われます。でもそれだけではありません。例えば、繰り返し行うこだわりのある行動や強迫症状に用いることがあるのです。
効果は即効性があるわけではありません。でも一定期間が過ぎるとしっかり効果がみられることが多いので、使われます。ただし、長期間の服薬による悪影響がはっきりとわかっていません。
そのため、お医者さんの指示に従って慎重に使うことが大切です。このお薬は、飲み始めは副作用が出ることがよくあります。だから、お母さんだけの判断で中断してしまうこともあります。
でも、その場合は病院などに相談するなどして、なるべく自己判断しないことが重要です。このお薬は、今の症状を速攻的に消すようなものではなく、飲み続けることで効果を出していくものなのです。
A中枢神経刺激薬
このお薬は、ADHDの症状である落ち着きのなさに対して使われることがよくあります。ただし、アスペルガーなど自閉症スペクトラムのお子さんに使うと、逆に症状が悪化すると言われることもあるお薬です。
自閉症スペクトラムのお子さんでも、授業中に立ち歩きや飛び出しなど落ち着きのない症状が出ることがあります。そこで、誤ってADHDと誤診されることがあるのです。その場合、この中枢神経刺激薬を使うことがあり、その場合は注意が必要です。
なんかちょっとこのお薬を使ってから様子がおかしいなと思う場合、主治医の先生に相談するか、別の医療機関の先生に相談するのもひとつの手です。
B非定型抗精神病薬
このお薬を薬局で処方されて、うちの子って精神病のお薬を飲んでいるの?と怖くなり、お母さんの判断でやめてしようと思うこともあるかもしれません。
お薬は、この病気に効きますよ、と書いてあっても、その病気でなくても使うことがよくあるのです。例えば、てんかんのお薬を、緊張で動悸がするときに使われたりすることもあります。
だから、お薬の対象の病名、効能などに惑わされないことが大切です。疑いながら飲む薬は効かないことがあると言われています。それとは逆に、効くと思って飲むと効くとプラシボ効果といって、何の効能のない薬でも効くという実験があるくらいなのです。
だから、お母さん自身が疑いすぎないことってとっても大切です。
最後に・・・・
たった一錠のお薬で、全く行けなかった、行こうとしなかった学校に喜んで行こうとすることがあります。
困っている問題行動、症状などが改善することによって、お子さんも楽になり、お母さんの心配や負担も小さくなるんです。だから必要以上に恐れないでお医者さんの指示に従って安心して使ってくださいね。