診断に至るこだわりと子どものこだわりの違いについて

自閉症スペクトラムは、コミュニケーション障害、社会性の障害、行動や興味が限られていることを特徴とするものです。


ただ、特に、最後の行動や興味の限局というのが、
いわゆるこだわりというものです。

 

発達障害のお子さんみんながこだわりが強いとは限りませんし、障害をもっていないお子さんもある程度はこだわりがあります。

 

ではこだわりとはどの程度のものをいうのか、自閉症スペクトラム障害のお子さんのもつこだわりとどのように違うのかみてみましょう。

 

こだわりの程度、診断に至るこだわりとの3つの違い

 

@こだわりがあるだけでは診断されない

自閉症スペクトラム障害のお子さんは、こだわりだけでなく、社会性やコミュニケーションに困難さを抱えています。

 

だから、うちの子すごいこだわりがあるけど大丈夫かしら、と感じても実際はそのこだわりだけで発達障害と診断されるわけではありません。あくまで、こだわり+コミュニケーションなどの対人関係の問題を抱えていると考えるとわかりやすいです。

 

Aよく子どもにみられるこだわり

例えば、自分の好きなカードにすごくこだわりがあってものすごくたくさん集めいているとします。

 

でも、ものすごくたくさん好きなものを集めたり、そのキャラクターにこだわってそれに関するものでばかり遊んでいても、その対象は周りのみんなも集めているようなキャラクターだったりするわけです。

 

つまり、時代の波にのるというか、流行りものでみんなと共有の話をして楽しむ傾向があります。

 

もちろん流行りものじゃない場合もありますが、話を共有できる友だちがいることが多かったりします。

 

B自閉症スペクトラム障害のお子さんにみられるこだわり

固執ともいうべき非常に強いこだわりをさすことが多いのです。Aのように、自閉症スペクトラムのお子さんでも、もちろんそのような流行りもの、みんなが持っている物を集める場合もありますが、それだけではないことが多いです。

 

例えば・・・

・一日中ある特定の図鑑ばかり読んでいてその中の名称をすべて覚えていたり
・車などの説明書の詳細、展開図などをすべて覚えていたり
・電車の駅名、路線図をすべて暗記するなどなど・・・

 

同年代の子どもではあまり興味を示さないものも含めて、固執ともいうべき強いこだわりが特徴なのです。他者との共有をそんなに重視しないことも特徴です。

 

このように、ちょっとかなりこだわりがあるな、と思っても、こだわりがあるだけでは発達障害の診断がされることは少ないのです。

 

もし、こだわりが強い、他にも場の空気が読めない、対人関係が希薄など、人との関わりに問題があるように感じたら、自閉症スペクトラムを疑って一度、専門機関に早めに助言を仰ぐと安心です。